2021年度 京都市立芸術大学 作品展 / 21-21 KCUA Annual Exhibition KYOTO CITY UNIVERSITY OF ARTS ANNUAL EXHIBITION 2021

学生インタビュー

副島 萌花 Moka Soejima プロダクト・デザイン専攻

1.自己紹介と制作について

自己紹介と、制作について教えてください。

プロダクトデザイン専攻4回生の副島萌花と申します。牛田裕也先生のゼミに所属しています。3回生から人同士のコミュニケーション、特に目に見えないようなインターネットのコミュニケーションについて考えて、制作してきました。

ゼミってどんな感じなんですか?

ゼミは専門分野で分かれているわけではなくて、先生の進め方が3通りある感じですかね。学生はどの先生の下なら自分に合った進め方ができるかを考えて、ゼミを選びます。

2.卒制について

卒制ではどんな作品を作られる予定ですか?

私は卒制ではカードゲームを作る予定です。インターネットにまつわる制作や、それに関する論文を読む中で、一人一人が自分の意見を持って、ちゃんと話せることが大事だなって思ったんです。なので、みんなが自分の考えていることについて共有できるような、話題を提供できるカードゲームを作ろうとしています。

確かに、「サラダにドレッシングかける?」とかあんまり話さないですよね。

そうですね。ルールは、めくって出てきたお題を○×で答えて、思ってることを喋ってみよう、って感じで、みんなでテーブルを囲んでやってもらうイメージです。

展示方法は考えていらっしゃいますか?

まだぼんやりとですけど、ただ実際に手に取っていただけるような形にはしようと思っています。なので…これまだゼミでも喋ってない最終目標なんですけど(笑) 展示用の作品と、それとは別でみなさんが手に取って触れるようなものと、二つ用意できたら嬉しいな、という気持ちではあります。

2.プロダクトデザイン専攻について

私はプロダクトデザインって勝手に、木で家具とか道具を作る、みたいなイメージがあったので、こういうカードゲームも作れることに、正直すごい驚きがありました。2回生の時は確かお菓子を作られてましたよね?

そうなんですよ〜もちろん、椅子とか革のカードケースとか、純粋にものとしてかっこいいプロダクトデザインを追い求める人もいらっしゃいますが、自分が一番伝えたいことを届けるための表現方法を選べる、っていうのがプロダクトデザインの特色かなと思います。コンセプトが一貫していれば、最終的にできたものがプロダクトデザインじゃなくても良いよっていうのは先生からずっと言われていることなので。割となんでもOK!って雰囲気があるのは良いですね。

このお家みたいな制作室からなんとなくその雰囲気を感じます。

こんなに大きいキッチンと休憩スペースを作っても許されてます(笑)

木工室みたいな専門的な機械室もありつつ、いろんなことをやらせてもらえる土壌があるのがいいなって思いました。そこが、わくわくふわふわ専攻と言われる所以なのかなと(笑)

そうですね!プロダクトデザイン懐広〜い、大好き〜ってなります。

3.制作について

どんなことを大切に制作されていますか?

そうですね、作品を手に取ってくださる方に、体験を通して心に残ることがあるように、っていうのはずっと考えています。

卒制で言えば、ゲームを通じて会話を誘発するという感じですね。

私の作品を通じて、何かを考えてほしいなって思っています。

そういえば、プロダクトデザイン専攻は4回生の前期に論文を執筆するんですよね。副島さんはバーチャルアイドルを通じたファン同士のコミュニケーション、というテーマで書かれていましたが、論文のテーマは卒制とは直接関係なくてもいいんですか?

なくてもいいですね。先生は「問いが文章をドライブする」という言葉を使われたんですけど。論文の課題は、自分が感じた課題を筋道立てて考えさせるという意図があったのではないかと思います。

論文執筆の経験が制作に活かせるなって思ったことはありますか?

色々ありますけど、一番大きかったのは、本を読むようになったことです。何かに興味を持った時、それについて既に研究されている方々がたくさんいらっしゃるじゃないですか。そういう方々の考えに触れることができたのは、制作においてかなり大きかったなって思います。

最初に論文を読んだ時、正直あまりにもプロダクトとかけ離れていて驚きました(笑) でも、今回お話を聞いて、テーマはもちろん、論文を書くプロセスを含めてすごく卒制に活かせそうだなと感じます。

そもそも、副島さんがプロダクトデザインを学ぼうと思ったきっかけはなんだったんでしょうか?

一番大きかったのは、平面だけ、空間だけ、という感じではなく、いろんな表現方法を試せることです。でも最後の決め手はやっぱり先生ですかね。ここで勉強したら面白いだろうなと!

デザイン科は2年前期でビジュアル、プロダクト、環境デザインを一通りやってから専攻を決めると思うんですけど、そこで体験してから決めたのでしょうか?

そうですね、入学当初はビジュアルデザインに行こうと思ってたんですけど、専攻試行期間を通じてプロダクトデザイン専攻の学べる領域の広さに驚いて、すごく魅力を感じました。その時先輩方や先生と直接関わらせていただいて、これから2年間学ぶならこの専攻がいいなと思って、プロダクトデザイン専攻に決めました。

制作について、もう少しお聞きしたいなと思うのですが…普段はどのように制作のアイデアを出されているのでしょうか?

書くものは3種類使い分けてます。一つは言葉とか、メモとかラフを書き出すクロッキー帳と、もう一つは文章をガーッと出したい時に使ってる日記っぽいやつです。あとは1日のToDoリストですね。

すごい、マメだ……思いついたものをそのまま書きたい時は、紙の方が出力しやすいのかなと思いました。当時の痕跡が見えるのが面白いです!

そうですね。このとき詰まってたのかなって見返してわかりますね(笑) 特にスケッチブックの方は全然整理して書いていないので、「うーん?」とかも文字で書いちゃってます。

まずスケッチブックに書き出す作業があって、そこから制作に移っていくんですね。

そうですね、まず最初に考えるときはまず文章から入ります。で、ずっと書いてると、文字だけでは追いつかないタイミングがあるんですよ。その時に試作品というか、何かちょっとイラストか立体物に起こしてみる。試作品を通して、何か新しく言葉やアイデアが出てきたらそれをもう一回書き溜める。書き出せなくなってきたらまた作る…を、ひたすら繰り返すっていう感じですね。

試行錯誤の先にプロダクトがあるんですね。
本日はありがとうございました。副島さんの課題を自ら考えてアウトプットする過程、プロダクトデザイン専攻の自由度の高さもすごく感じられました。卒制を楽しみにしております!




インタビュアー:山田歩実
カメラマン:駒井志帆


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